皆さんは、新人に仕事を教えた経験がありますか?
実は「教えること」は、ただ相手に知識を伝えるだけでなく、教える側の成長にもつながる大切なチャンスです。
今日は「教えることで、教える人が成長する」ことについてお話しします。
仕事に限らず、人に何かを教えることは簡単ではありません。
なぜなら、自分が「できる」ことと、人に「教えられる」ことは別だからです。
スポーツの世界でも、一流選手が必ずしも名コーチになれるわけではありませんよね。
同じように、仕事を教えるには、伝えるための体験やスキルが必要なのです。
例えば、新人に仕事を教えるときには、事前に準備が求められます。
ただ仕事の手順を見せながら説明するだけでは十分ではありません。
簡単な資料を用意し事前に渡しておくだけで説明がスムーズになり、新人もメモを取りながら理解しやすくなります。
このような準備をすることで、教える側も仕事の意味や目的を整理しより深く理解することができます。
また、人に教えるには「説明する力」「忍耐力」「叱る・ほめるバランス」など、さまざまなスキルが必要です。
相手の理解度に応じて伝え方を工夫したり、意欲が低い人には励ましが必要だったりします。
このプロセスを通じて、教える側のコミュニケーション力やリーダーシップも磨かれていきます。
かつての連合艦隊司令長官・山本五十六は「やってみせ、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」と言いました。
これは、指導の本質を突いた言葉です。
新入社員には、仕事の知識だけでなく、社会人としての心構えも教える必要があります。
教える側が手本を示すことで、自らの意識も高まり、成長できるのです。
教える側が注意することは、新人に仕事をやらせている途中で「違うよ、こうやるんだよ!」と、任せた仕事を奪って自分でやってはいけません。
教える側は「やり方を見せている」と思っていても、任された新人は「成長の機会を奪われた」と感じているからです。
多くの企業では「仕事ができる人」や「教え方が上手な人」が指導者に選ばれます。
しかし「教えること」は、まさに自己成長の絶好のチャンスです。
一人前の一歩手前の若手や、伸び悩んでいる社員に指導を任せるのも一つの方法でしょう。
そうすることで「教わる人」も「教える人」も共に成長できるのです。
新人を指導するチャンスがあれば、それを「成長のチャンス」として、ぜひ前向きに取り組んでください。
自分自身の成長を実感できるはずです。