vol.194_言ったではなく伝わったかが重要。【伝える】1080

今日は「言葉の解釈の違い」について、少しお話をしたいと思います。

最近、ネットニュースで話題になっていたのが「8時10分前って、何時のこと?」というものです。

私たちの世代の多くのが「7時50分」と即答すると思います。

ところが、若い世代、たとえば10代・20代の人たちは「8時7分とか8分くらいじゃない?」と、当然のように返ってきて、思わず驚いてしまいました。

「8時10分前」と言われたら、時計の針を思い浮かべて、「8時から10分前、つまり7時50分」と考えるのが自然。

しかし、今の若い世代はデジタル表示の「8:10」が頭に浮かびます。

そして「それより少し前に来いってことか」と解釈するわけです。

 

このギャップは、国内に限りません。

アジア出身の若い外国人にも聞いてみたら、やはり「8時7分くらい?」という反応。

7時50分だと説明すると、とても驚いていました。

 

この解釈のズレがあると、例えば集合時間には毎回、遅刻してくることになります。

言葉の使い方は、時代や文化、そして育ってきた環境によって大きく異なります。

それを前提にしないと、「伝えたつもりが伝わっていない」ことが起きてしまいます。

 

たとえば、テレビの天気予報の字幕でも、こういった違いは表れます。

「明日も全国的に猛暑。都心は35度、38度の地域も」と出た時、私は「都心は35度、他の地域では38度になるところもあるんだな」と解釈しました。

ところが、若い世代は「東京は都心以外が38度になるってこと?」と言うんです。

同じ文章を読んでいるのに、受け取り方が全然違う。

これもまた、背景や文脈の違いから生まれる解釈のズレです。

 

このように、言葉の使い方一つとっても、共通認識がズレることは珍しくありません。

だからこそ、私たちは

「ちゃんと伝わっているか?」

「相手はどう受け取っているか?」

という視点を常に持つ必要があります。

特に、職場のようにさまざまな世代、文化背景を持った人たちが一緒に働く場所では、「伝え方」と「受け取り方」のギャップに気を配ることが、円滑なコミュニケーションのカギになります。

言葉は時代と共に変わります。

だからこそ、「これが正しい」と決めつけず、お互いの感覚を尊重し合いながら、丁寧に確認する。

一度で伝えたつもりにならずに、何度も伝え方を工夫して相手にわかるように伝える、その姿勢を大切にしていきましょう。

煙山 光宏

1970年生まれ。
フソウ開発工業株式会社の2代目社長で、
ジッピー行政書士事務所の代表行政書士です。