上司とのコミュニケーションで大切な「聴く姿」
職場で働いていると、上司の指示や会社の方針に対して「なぜだろう?」「本当にそれが正しいのかな?」と疑問を持つことがあります。
先日、ある会合で参加者の一人がこんな話をしていました。
「私は疑問があると、すぐに上司に聞くようにしているんです。でも毎回『文句ばっかり言うな!』って怒られるんです。なぜなんでしょうか?」
その時私はこう考えました。
「まずは上司から見て“仕事ができる人”になることを目指してみてください。その上で疑問があるなら、どんどん聞いてみるといいですよ。」
すると休憩時間に別の方が「でも、どうやって聞けばいいのでしょうか?」
そこで私は逆に質問しました。
「最近、どんな場面で、どんなふうに上司へ聞いたのですか?」
「質問」と「文句」の違い
これまで多くの人の話を聞いてきましたが、上司から「文句ばかり言うな」と言われてしまう人には、ある共通点があります。
それは、『自分の考えが絶対に正しいと思い込んでいる』ということです。
例えば、「部長は現場のことを分かっていないから、あんなことを言うんだ」と最初から決めつけてしまう。
その状態で、「部長、なぜそうお考えなんですか?」と質問したとしても、本心では
「自分の正しさを認めてもらいたい」
「上司が間違っていることを分からせたい」
という気持ちが隠れています。
すると不思議なことに、その気持ちは表情や口調、態度に表れてしまいます。
本人は質問しているつもりでも、上司からすると「質問された」のではなく、
「追及された」
「反論された」
「文句を言われた」
と感じてしまうのです。
本当に「聴く」ことができていますか?
私はよくこう問いかけます。
「あなたのその聴き方は、本当に“聴く”になっていますか?」
「ただ上司を責めているだけになっていませんか?」
すると多くの方が、「あ、確かにそうかもしれません…」と気づきます。
人は誰でも、自分の考えを理解してほしいと思うものです。
しかし、コミュニケーションで本当に大切なのは、『相手の考えを理解しようとする姿勢』です。
上司には上司の立場があり、部下には見えていない情報や責任があります。
だからこそ、「なぜそう判断したのだろう?」「自分が知らない事情があるのかもしれない」という気持ちで話を聴くことが大切なのです。
社会人として成長する人の共通点
これから社会に出る人も、すでに働いている人も、自分の意見や考えを持つことはとても大切です。
しかし、それと同じくらい大切なのが、「自分だけが正しいわけではない」という姿勢です。
上司や先輩、同僚、お客様など、自分とは違う考え方を持つ人の話を素直に聴く。
その姿勢がある人ほど、多くのことを学び、成長していきます。
反対に、自分の正しさを証明することばかり考えている人は、なかなか成長できません。
社員としての器は、知識や能力だけで決まるものではありません。
どれだけ素直に人の話を聴けるか。
実はそこに大きな差が生まれるのです。
まとめ
上司とのコミュニケーションで悩んだときは、まず自分自身に問いかけてみてください。
「私は本当に相手の話を聴こうとしているだろうか?」それとも、「自分の正しさを認めてもらおうとしているだろうか?」
この違いを意識するだけで、職場での人間関係やコミュニケーションは大きく変わります。
質問することは決して悪いことではありません。
むしろ成長するためには必要なことです。
だからこそ、相手を理解しようとする素直な姿勢を忘れずにいたいものです。
その「聴く姿勢」が、信頼される社会人への第一歩になるのではないでしょうか。