女性が活躍できる土木工事現場を目指して 固定観念や偏見が女性の活躍の弊害とならないようにするには

建設業は、女性が少ない職場の一つです。

特に土木の現場では、以前は皆無に等しい状況でした。

バブル期には女性を採用することでイメージアップを図ろうとした企業もありましたが、活躍には必ずしも積極的ではありませんでした。


日本工業経済新聞に載っていた記事から。

国土交通省は、2014年時点では女性技術者は1万人、女性技能者9万人だったのを、2019年には女性技術者2万人、女性技能者18万人に倍増させる目標を掲げています。

この目標計画には①教育現場と連携した建設業の魅力・やりがいの発信、②長時間労働縮減や計画的な休暇取得など女性も働きやすい現場のソフト面の整備、③活躍する女性の表彰、④女性の活躍を支える地域ネットワークの活動支援などが盛り込まれています。

女性技術者の進出

最近では、企業の人材戦略として女性の活用が本格的になってきて、技術者として活躍する人も増えています。

海外の工事現場を取り仕切る女性技術者のように活躍の場は男性と変わらなくなってきている事例は、まだまた大手スーパーゼネコンでの話しです。

私たち中小企業の施工現場では、最近は10トンダンプの運転手や誘導員、元請の現場監督の補助者に女性を見かけることも出てきました。

「ドボジョ」なんて言葉もあるようですね。

土木技術者女性の会

土木技術者女性の会というのがあり、会には約390名の会員がいます。

土木技術者を目指す女性へのアドバイスや就職支援、女性の働きやすい環境づくりの活動を行なっています。

問題点と課題

女性技術者の採用については、モデルとなる女性上司がいなかったり,管理職が女性技術者の教育や指導に不慣れだったり、配属できる部署が男性よりも限定されるなどの問題が挙げられています。

ハード面ではトイレや更衣室の用意をはじめ、様々な受け入れ態勢を整えることはすでに行なっています。

弊社には現在、女性技術職(重機オペレーター)と一人もいませんが、女性が安心して活躍できる現場にしていけるように取り組んでいきたいと思います。

固定観念や偏見・差別が、女性の活躍の弊害とならないように、業界全体で取り組まなければなりません。

もっと女性にも土木の現場仕事に興味・関心を持ってもらえるようにしたいものです。

煙山 光宏

1970年生まれ。
フソウ開発工業株式会社の2代目社長であり、けむやま行政書士事務所の代表行政書士です。