vol.179_粗探しをする心理とは?【粗探し】0049

他人の粗探しをするのが大好きな人がいます。

「誰々がサボっている」「指示と違うことをしている」と、他人の行動ばかりを気にして人に報告してくる人がときどきいます。

粗探しの対象は特定の人ではなく、基本的には誰にでもだけど、自分より明らかに仕事ができる人には何も言いません。

これが何を意味しているかというと、それは“安全圏”にいる相手だけを選び、攻撃しているということです。

 

では、なぜこのような行動をとるのでしょうか。

考えられる心理的背景には、次のようなものがあります。

①自分の立場を優位に見せたい心理です。

「誰かのミスを見つけて報告する=自分はちゃんと見ている」というアピールなんです。

②承認欲求の裏返し。直接的に評価される実力がないため、人の欠点を見つけることで、自分の存在意義を確保しているのかもしれません。

③仲間意識の操作。

共通の“敵”を作ることで、自分の意見に同意してくれる人を仲間にしたいという無意識の行動かもしれません。

 

つまり、彼にとって粗探しは「自己防衛」であり「孤立しないための手段」なのです。

 

しかし、“本人が仕事に集中できていない”ことが問題なので「人の行動を気にしている暇があったら、自分の仕事に集中してみんなと協力してほしい」と伝えてみましょう。

 

粗探しは集中力を削ぎ、周囲のモチベーションにも影響します。

必要な指摘や指導は上司の役目です。無責任な“粗探しや告げ口”は混乱を生むだけです。

ですので、何か言われても仕事の話題に戻す「そうなんだね。でも今この作業を片づけないと」と話を切り替える。

それから、その人を完全に拒絶するのではなく「一緒に成果を出すこと」にフォーカスすると良いです。

もしかするとその人に「人の粗探しなんかしなくても、あなたが集中して仕事をしてくれていれば、私はあなたのことを認めてますよ。あなたは必要な人ですよ。」ということが伝われば、自尊心が保たれ、人の粗探しをしなくなるかもしれません。

粗探しをする人は、実は自信がない場合が多いから、誰かを下げることで、自分の存在価値を保とうと必死になるのです。

私が一番伝えたいのは「みんなで協力して仕事が気持ちよく進むことが最も大切」だということです。

 

お互いに仕事に集中し、助け合うことができれば、誰かを責めたり、批判したりする必要はありません。 

支え合ってこそ、安全で効率的な職場が作れることを覚えておいてください。

煙山 光宏

1970年生まれ。
フソウ開発工業株式会社の2代目社長で、
ジッピー行政書士事務所の代表行政書士です。