家系図作りは楽しい
自分のルーツを知りたいと思っている人が、家系図作成や先祖探しの目的で、可能な限り古い戸籍を求める人が増えています。
普段は自分の両親や祖父母くらいまで載っている戸籍は目にすることがあるかもしれません。
戸籍を丁寧にさかのぼると、江戸時代生まれのご先祖様が載っていることもあり、なんだかワクワクします。
戸籍ってなに?
戸籍謄本は身分や親族関係などを載せたもので、住民票は居住について載せたものになります。
戸籍謄本を取得することで、その人がいつどこで生まれたのか、親は誰なのか、独身なのか、既婚なのかといった身分関係がわかります。
ただし、住所については記載されていないので、どこに住んでいたのか、ということはわかりません。
現在どこに誰と住んでいるのか、という事を証明するものとして住民票があります。
住民票は居住地の役所で管理しておりますが、戸籍謄本については本籍地で管理しています。
戸籍謄本と戸籍抄本のちがい
戸籍謄本(こせきとうほん)」には、この「戸籍の原本」にのっている内容が「全部」書かれて、「その内容は正しいですよ」と証明してくれる書類です。
戸籍謄本は「戸籍全部事項証明書」とも呼ばれます。
戸籍抄本(こせきしょうほん)は、戸籍にのっている人のうち、「一部の人の内容だけ」を写して証明してくれる書類です。
「戸籍部分事項証明書」とも言います。
直系血族と傍系血族
直系血族とは、自分を中心として、父や母、祖父母など直接さかのぼっていく場合と、子どもや孫、ひ孫など直接下っていく場合の親族のことです。
父や母、祖父母などのさかのぼっていく場合の直系血族を直系尊属、子どもや孫などの下っていく直系血族を直系卑属と言います。
これらの直系血族に対し、傍系血族とは(自分の兄弟の血族のこと)があります。
戸籍はどこで誰が取得できるの
戸籍・除籍は、直系血族であれば、本籍地の市区町村役所の窓口または郵送で「請求用紙」に記入して「本人確認の運転免許証の写し」を提示して取得できます。
郵送の場合は返信用封筒と、郵便局発行の「定額小為替」(ていがくこかわせ)を多めに同封しておくと安心です。
また、郵送で取得した場合は、役所で整理番号とその記録が残るので、あとで問い合わせした時に話が通じやすいというメリットがあります。
戸籍の取得にいくらかかるの
戸籍謄本(抄本)は、通常1通450円くらい、除籍謄本(抄本)は、1通750円ほどで取得することができます。
戸籍様式の変遷
明治5年式戸籍は、現行の戸籍制度のスタートで、現在では取得することはできません。
明治19年式戸籍は、現在取得可能な最も古い戸籍様式です。江戸時代生まれの人物が記載されていることも多い。明治19年以前の事項が転記されていることもあります。
明治31年式戸籍の様式の特徴は、「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」欄が設けられたことです。また、前戸主と現在の戸主(当時)との続柄も記載されるようになりました。
大正4年式戸籍は、明治31年式の「戸主ト為リタル原因及ヒ年月日」欄が廃止され、その内容は戸主の事項欄に記載されるようになりました。現在では読めないが「士族」「平民」などの身分記載もありました。
現在の戸籍は、戦後の新憲法の下で作られた様式で、「家」単位ではなく「夫婦とその子」が編成の単位となっています。
どこまで古い戸籍・除籍が取れるのか
現在、取得できる最も古い戸籍は明治19年式のものです。
戦争や大火等による焼失、保存期限経過による廃棄などがされていないければ、現在取得可能な最も古い戸籍は、明治19年式の戸籍となります。
廃棄されていたり、火事などで戸籍が焼失し取得できない場合は、役所で「廃棄証明書」「証明書」を発行してくれます。
古い戸籍を発行してほしいとき
通常、役所で戸籍の請求をするときは、なんらかの身分証明目的か相続の用途である場合がほとほどです。
そのため明治19年式の戸籍を求められることは稀です。
家系図作成などの理由で、とにかく可能な限り古い除籍まで発行してもらいたい場合は、その旨を役所の方に告げるとスムーズに進みます。