7月から法務局で遺言書を預かる制度がはじまります

2020年(令和2年)7月10日(金)から法務局による遺言書の保管制度がスタートします。

40年ぶりに「相続法」が改正されたのです。

40年前の法律は、昔ながらの家族関係を想定したものでしたが、

家族の形態が変わり対応できない部分が出てきているためです。

制度ができた背景

近年、遺言書を作成する人が増えてきていることがあげられます。

遺言書は自宅に保管されることが多いため、紛失や改ざんのおそれがあり、

安全に安心して預けられる手段が求められるようになったので、制度が作られました。

どこで預かってくれるの?

全国300ヵ所以上の法務局(登記所)で預かってくれます。

ここ埼玉県には、17ヵ所あります。

この制度の特長

①法務局は公的機関なので安心安全です。

遺言書の紛失や改ざんの心配を回避することができます。

②全国どこでも一律のサービスが受けられます。

プライバシーを確保できます。

本人以外、閲覧できないので、遺言者が生存中は、相続人に

遺言書の内容を知られることはありません。

④遺言者の死亡後、相続人が法務局にて遺言書の閲覧やコピーを入手することができます。

⑤遺言者の死亡後、相続人の1人が遺言書の閲覧やコピーを申請すると、他の相続人に遺言書が保管されている旨の通知をしてくれます。

家庭裁判所での検認が不要になります。

注意点

保管できる遺言書は、法務省令による様式に沿った自筆証書遺言(本人が書いたもの)」に限られます。

遺言書を作成した本人自ら法務局に保管の申請をすることになります。

この制度には費用がかかります(詳細は令和2年7月10日までに決定)。

遺言書を法務局に保管していることを相続人等に伝えておかないと、死後も遺言書の存在が相続人に知られないままになるおそれがあります

法務局で預かる際に、内容の確認は行われないので、正確に書く必要があります。

最後に

遺言書と遺書は違います。

なんとなくイメージでこの二つを混同し、不吉で後ろ向きな印象を持つ方がいまだにいるようです。

「相続」を「争続」にしないためにも、大切な家族に自分の意志を書き残しましょう。

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新しい制度を使った「自筆証書遺言」と「公正証書遺言」の比較についてはこちら↓

煙山 光宏

1970年生まれ。
フソウ開発工業株式会社の2代目社長であり、けむやま行政書士事務所の代表行政書士です。