経審に関するご質問2

銀行に借り入れを大きく行うなどの他人資本が増えることになると経審の点数には影響が出るのでしょうか?会社が伸びるためのヒトやモノといった将来への投資のための借り入れ他人資本が増えると、逆に経審に影響が出るのではと考えてしまいました。

 

経審を受けるためには、決算の内容について国土交通大臣の登録を受けた機関で分析を受ける必要があり、結果は数値で評価されます。

経営状況の評点をアップさせるためには、収益性を向上させ、財務体質を改善し、経営の安定・発展へとつながる相乗効果を生み出す必要があります。

経営状況評点の向上は、総合評定値のアップだけにとどまらず、経営改善という側面からも重要となります。

経営状況の評価指標

「負債抵抗力」「収益性・効率性」「財務健全性」「絶対的力量」という4つの属性を評価する8つの指標があります。

その中の「負債抵抗力」では、借入金やこれに伴う支払利息が多すぎないかを判断します。もちろん、これらは少ないにこしたことはありません。

本来の営業活動から得られた利益が営業利益ですが、企業によっては、支払利息の額が営業利益を上回っている場合があります。

このように不健全な状態になっていないかを判断します。

「負債抵抗力」という属性の中の指標は「純支払利息比率」と「負債回転期間」があります

経営状況の各指標の評点への影響度は平等な比率ではなく、指標ごとに差があります。これを「寄与度」といいます。

「純支払利息比率」の寄与度は29.9%、「負債回転比率」が11.4%で、合計すると41.3%となり4割以上の評点が決まることになります。

このことから、支払利息をいかに圧縮するか、売上総利益(粗利益)をいかに増やすかが経営状況分析の重要なポイントと言えます。

煙山 光宏

1970年生まれ。
フソウ開発工業株式会社の2代目社長であり、けむやま行政書士事務所の代表行政書士です。