vol.93_仕事と人生は切り離せないもの。【一人前】0082

みなさんにとって仕事とは何ですか?

狭い意味で言えば、労力の対価として給料をもらうことが仕事となるのですが、それは仕事の本質ではないと私は思います。

広い意味で言えば、人生そのものが仕事なのかなとも感じています。

必ずしも金銭を得ることは前提にはならず、たとえ無報酬でもやりがいを感じていたり、誰かの役に立っているのであれば、それは仕事と言える。

もっと言えば、仕事とは人生の目標や、人生の意味なのかもしれません。

 

「みなさんは何のために生まれてきたのか?」という質問に対して、どう答えますか?

ほとんどの人が考えたこともないのではないでしょうか。

もし仕事でお金を稼ぐことだけが全てなら、定年をむかえた時にその人は人生を見失ってしまうので、結果的に充実した人生を送ることはできない。

だから「自分-仕事=ゼロ」ではいけません。

 

53歳の私が65歳までに社長を引退するとなると、実は人の目を気にしているほど時間は残されていません。

私が社長として決算を迎えられるのは、後たったの12回です。

しかも事業継承の期間を5年と考えると、実際事業に全力を注げるのはたったの7年です。

そして何か事業を形にするには、おおむね10年かかると言われてますから、そう考えると、大きな勝負ができるのはあと1回できるかどうかとなります。

常に逆算から準備をしていかなければなりません。

事業でもやらないことを決めて、やることに集中する。

会合なども、会いたい人とだけ会うことに徹底しています。

 

このように自分の社長人生を逆算してみると、どれぐらいの時間が残されているかがわかります。

決して長いとはいえない時間ですから、人の目を気にして生きてる時間はありません。

自分が人生をかけて成し遂げたいことに全集中しないと、もったいないからです。

 

さてみなさんも、将来、仕事から離れる時がすべての人に訪れます。

その時に「自分マイナス仕事=ゼロ」にならないように、さまざまな準備をする必要があります。

一方で「仕事と人生は切り離して考えることはできない」とも感じています。

みなさんはどうでしょうか?

今ここで働いているのは、収入を得るためだけでしょうか?

毎日、目の前の与えられた仕事に対して、全力で取り組んでいる人にとっては、厳しい世界に身を置くうちに、仕事は収入を得る手段以上のものとなってくるはずなのです。

 

プロ野球監督の野村克也さんは、こう言ってました。

「もし、お金を稼ぐという気持ちだけで、仕事と向き合っていると、一軍に定着した段階で目標を見失っていただろう。

探究心や向上心があったから、長年、第一線で活躍でき、定年後も必要に応じて、仕事に関わることができたのです。』

 

探究心や向上心によって、仕事の奥深さを知り、仕事を通して人間や社会の本質を学ぶことで、人として成長できるのです。

このように「何かひとつの道」を見つけることは、人生を有意義に送るために欠かせない要素なので、みなさんも、限りある時間を大切に使い、仕事と人生そのものを有意義なものにしてください。

 

煙山 光宏

1970年生まれ。
フソウ開発工業株式会社の2代目社長であり、けむやま行政書士事務所の代表行政書士です。