今日は「原価」と「時間」についてお話しします。
私たちの生活や仕事において、原価が全くかからないものは存在しません。
その中で特に注目したいのが「時間」という見えない原価です。
例えば、マクドナルドのメニューを見てみると、ハンバーガー1個の価格は1個=170円で、そのうち原価は約43%、計算すると原価は73円程度です。Mサイズ1杯=240円のコーラの原価率は、わずか4%なので、約10円にすぎません。
一説には原価0円とも言われていますが、このことからマクドナルドは、セットメニューなどの組み合わせで効率的に利益を生み出していることが分かります。
「ご一緒にお飲み物はいかがですか?」って聞かれるのはそのためですね。
これをサービス業に当てはめてみるとどうでしょうか?
例えば弁護士や税理士などの「士業」は、物を仕入れて販売するわけではないので、原価は少ないように見えます。
しかし、実際の原価は「専門家自身の時間」なんです。
依頼者ごとにオーダーメイドのサービスを提供するため、限られた「時間」を切り売りしているわけです。
ここで重要になるのが「機会原価」という考え方です。
機会原価とは、ある選択をしたときに、選ばなかった別の選択で得られたはずの利益のことです。
例えば、家でダラダラ過ごすことを選ぶと、外で働いて得られたはずの収入を放棄することになります。
もちろん、リフレッシュや休息が価値を持つ場合もありますが、その価値が機会原価を上回らなければ経済的には「損失」と考えられます。
別の例を上げると、「専業主婦がなぜ経済的に価値を持つのか」という話があります。
専業主婦は外で働く機会を放棄して、家事労働をしているわけです。
この家事労働には、機会原価と同等以上の価値があると判断されるため、専業主婦にも休業損害の計算が適用されるのですね。
私たちが時間をどう使うかは、日々の生産性や成果に直結します。
私たちの経営計画書の「社員に関する方針」には「時間で働くのではなく、業績を上げるために働く」と書かれています。
この限られた「時間」という原価コストを意識し、仕事の成果を最大化することで、より効率的で充実した働き方が実現できるようにしていきましょう。