事業共同組合の設立

外国人受け入れのために事業協同組合の設立について知りたい

事業協同組合とは、中小企業者が互いに協力し助け合う精神に基づいて共同で事業を行い、経営の近代化・合理化と経済的地位の向上・改善を図るための組合です。

組合は組合員の事業を支援・助成するためのものならばほとんどすべての分野の事業が実施できます。

最近は、人材不足解消のために外国人技能実習生を受け入れる企業が増えていて、外国人受け入れの監理団体として、事業協同組合を設立する企業が増えています。

協同組合は、行政庁から認可をいただかなければ設立させることはできません。

会社のように発起人と最低限の資本金があれば誰でも創れるという法人ではありません。

特に「技能実習事業を行いたいから…」という理由で事業協同組合の設立をお考えの方は、組合を運営していけるだけの基本的な経済事業が全く疎かになっていることがあります。

事業協同組合の本質的な部分を是非再確認してください。

事業協同組合と会社は何が違うの?

⑴「人」の組織である

株式会社は資本が中心の組織であるのに対し、組合は組合員という限定された人を組織の基本としています。

組合では、組合員1人の出資額が原則として総額の4分の1までに制限されていますが、会社にはそのような制限はありません。

また、総会における議決権・選挙権は、会社では各株主がもっている株式数に比例した数となりますが、組合では、各組合員の出資額の多少にかかわらず1人1票となっています。

⑵相互扶助

「相互扶助」とは、中小企業者が組合を結成し、共同してより大きな目的に取り組み、その目的を達成するために有利な共同事業を行い、各組合員が共同事業を利用することによって組合員の利益を増進するという関係をいいます。

⑶組合員のための組織である

組合は、組合員が自ら組合事業を利用することにより、組合員の事業に役立つことを目的としていますが、会社にはこのようなことはありません。

組合は、組合員の事業を共同事業によって補完することを目的としており、その事業は組合自身の利益追求ではなく、組合員に直接事業の効果を与えることを目的として行われます。

また、組合の事業活動が特定の組合員の利益のみを目的として行われることは、相互扶助の観点から原則として許されません。

⑷組合員の地位向上を図る組織である

会社は利潤追求という経済合理性が主たる目的ですが、組合は、経済合理性の追求とともに、人間性を尊重し、不利な立場にある組合員の地位向上を図るための組織です。

組合の活動にはどんなものがあるの?

事業協同組合が行う共同事業にはいろいろな種類がありますが、比較的多くの組合が行っているものは次のような事業です。

  1. 共同生産・加工事業
  2. 共同購買事業
  3. 共同販売事業
  4. 共同受注事業
  5. 共同検査事業
  6. 市場開拓・販売促進事業
  7. 研究開発事業
  8. 情報提供事業
  9. 人材養成事業
  10. 金融事業
  11. 債務保証事業
  12. 共同労務管理事業
  13. 福利厚生事業

事業協同組合の設立手順について

事業協同組合の設立順序は、まず組合を作ろうとする者4人以上が発起人となります。

その発起人は、事業主(法人又は個人事業者)でなくてはなりません。

そして、事業協同組合の組合員は、下記のいずれかの要件を満たしている者に限られます。

あまり多人数を選定してしまうと、相互の意見調整等に時間が掛かるばかりでなく、認可申請書類に署名捺印をするなどの書類作成に時間を要して非効率的です。

そのため、設立世話人の中から4人以上の必要最低数を設立発起人として選定して、認可申請手続きをすることが効率的な方法と言えます。

発起人は、まず設立趣意書を作成して組合員になろうとする者の同意を求め、定款原案を作成し、これらを会議の日時及び場所とともに設立事務所、その他適当な場所に少なくとも創立総会の2週間前までに公告を行い、設立同意者によって創立総会を開催します。

創立総会においては、同意者の半数以上が出席して、その議決権の3分の2以上をもって定款の承認、事業計画及び収支予算の決定、理事及び監事の選出等設立に必要な事項を決定します。

この場合、発起人が作成した定款の中の組合の地区及び組合員たる資格についての規定は変更することはできません。

創立総会が終わったならば創立総会議事録を作成します。

創立総会が終了した後、設立発起人は、中小企業等協同組合設立認可申請書一式を作成し、組合の設立認可申請を所管行政庁(所管行政庁は、地域、業種等によって異なります。)に行い、設立の認可を受けます。

所管行政庁の認可を受ける
創立総会終了後、設立発起人は中小企業等協同組合設立認可申請書を作成します。

所管行政庁に対して設立認可申請を行い、設立の認可を受けます。

※所管行政庁は、地区や業種によって異なります。

行政庁の設立認可後、発起人は設立事務を理事に引き継ぎ、理事が出資金の払込請求を行います。

出資金の払込完了日から2週間以内に組合の設立登記を行います。(設立の登記完了日が組合成立年月日となります。)
組合員の所在地
申請先
同一都道府県内
組合の主たる事務所を管轄する都道府県知事
同一局で2以上の都道府県の場合
各局(業種により異なる)
2以上の局にまたがる場合
各省庁(業種により異なる)

※ご自身で行う場合は、まず所管行政庁に事前相談に行き、手続きについて情報収集しましょう。

設立要件について

事業協同組合は、申請さえすればかならず設立が認められるというものではありません。

以下のような要件をクリアすることが求められます。

法定基準

1.発起人が法定基準を充足し、かつ、組合員になろうとする者であること。
2.創立総会の開催公告が適法に行われていること。
3.設立同意者が組合員資格を有する者であること。
4.創立総会が適法な定足数を充足して開催され、かつ、各議案につき適法な議決が行われていること。
5.定款及び事業計画の内容が、中小企業等協同組合法その他の法令に違反していないこと。
6.次の点が組合の目的、すなわち、主として事業の実施計画と対比して矛盾がなく、又は各事項相互の間に極端な不均衡がないこと。
ア 組合員資格
イ 設立同意者数
ウ 払込出資予定額
エ 役員の構成
オ 経済的環境

以上の各項目についても充分な満足を得て、はじめて組合成立の要件が具備されることになります。

不認可となる場合

組合の設立について適当でないと考えられる場合をあげれば次の通りです。

1.払込出資額が著しく少額で、共同経営体としての組合であると認め難いとき。

2.事業計画が漠然としており、共同経営体としての組合の目的ないし趣旨が著しく分明でないとき。

3.組合員の極めて一部の者のみが組合の事業を利用するであろうことが明瞭であり、又は、発起人若しくは代表理事のみの利益のために組合を設立しようとすることが明瞭であって、組合は単に名目的な存在となる可能性が強いと認められるとき。

4.極めて不安定な基礎の下に火災共済、その他の共済事業を行う目的をもって設立するものであると認められるとき。

5.出資金の日掛ないし月掛の払込、借入金の日掛の受入等によって、相互金融事業を行おうとするものであるとき。

設立費用

事業協同組合の設立には、登録免許税等の費用はかかりません。

※専門家への報酬額や各種書類の取得料を除く。

設立までの注意点

事業協同組合の設立手続きは、中小企業等協同組合法に定める順序に従い、所管行政庁に事前協議をしながら進めなければなりません。

これに違反したり、添付書類の一つでも欠落すると設立認可申請が不認可になったり、組合の設立が無効になる可能性もあります。

法人登記の申請

発起人または代表理事(理事長)が出資払い込み完了の日から2週間以内に法務局で申請をします。(設立の登記完了日が組合成立年月日となります。)

事業協同組合設立登記時の必要書類

定款
創立総会議事録
理事会議事録
代表理事の就任承諾書
出資の総口数を証する書面設立の認可書
その他必要に応じた資料
設立登記完了までは、2.5~3ヶ月程度かかります。

法人設立の申告

発起人または代表理事(理事長)が設立登記後2ヶ月以内に税務署と市町村などに対して申請をします。

青色申告の申請も同時に行うことが必要です。

 

この記事を書いた人

煙山光宏

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