vol.46_モノ探しで生じる損失。【機会損失】0323

vol.46_モノ探しで生じる損失。【機会損失】0323

環境整備は会社にとって不可欠な取り組みです。

この環境整備を行う意味は、仕事のやり方・考え方に気づく習慣を身につけることにあります。

一般的に、会社には年商の約10%のムダや損失があると言われています。

このムダというのは見つけづらいし、把握しづらいものでもあります。

では今からこの損失について話します。

少し難しいかもしれませんが、最後まで聞いてください。

会社の損失には「実際の損失と機会損失」の2つがあります。

「実際の損失」というのは会社からお金が出ていくので、分かりやすい損失です。

「機会損失」というのは、チャンスを逃した損失なので、わかりにくいものなんです。

では、分かりやすいので、お弁当屋さんの例で話していきますね。

あるワゴン販売のお弁当屋さんでは、毎日、朝から仕込みをして、値段は高めですが、素材にこだわった手作り弁当を、近くの公園でワゴン販売していました。

毎日の販売目標100個に対して、次の2つのケースで損失金額を考えてみましょう。

お弁当1個の値段を1,000円とし、原価は600円とします。販売時間は11時半から14時とします。

一つ目のケースは、午後2時の販売終了時刻に50個売れ残った場合の損失金額は、材料費600円×50個で3万円です。

二つ目のケースは、昼の12時、販売開始から30分後に用意した100個すべて完売した場合の損失金額は、売れ残りがないので実際の損失はゼロです。

でも、もしこの日に公園で特別なイベントがあり、お弁当が完売した12時の時点で、まだ行列が100人いたとするとどうでしょうか?

事前に情報を得てあと100個作っていれば売れたのに、と考えると「利益は1,000円-600円」なので、機会損失は400円×100個で4万円となります。

ここが重要なんですが、この機会損失の4万円というのは、会社から実際にお金が出ていくことはないので、お金が入ってこないチャンスを逃した損失となります。

環境整備を徹底するもう一つの意味は、この機会損失を防ぐことにあります。

なぜかというと、モノを探している時間というのは、利益を生みません。では、社員20人全員が毎日30分のモノ探しをすると、1年間にいくらの損失になるか、1日8時間、年間250日、1秒1円、で計算してみると、900万円の機会損失になることが分かります。

このような損失の合計が年商の10%あると考えると、まだまだ改善の余地があるということが分かると思います。

今の事業にどんな「実際の損失と機会損失」があるか、みなさんに一度、考えてみて欲しいんです。

まとめると、目に見えるモノの整理整頓、次にやる行動の整理整頓、そして情報の整理整頓をしっかりすることでムダや損失は減らすことができるので、環境整備を徹底してチャンスを逃すことのないようにして行きましょう。

今日の知行合一のススメは以上です。

煙山 光宏

1970年生まれ。
フソウ開発工業株式会社の2代目社長であり、けむやま行政書士事務所の代表行政書士です。