社員を教育する目的を勘違いしていると、社員を伸ばすことはできません。
よくある間違った考え方は「社員の技術的なことを教えるのが社員教育」というものです。
これは明らかに間違いです。
技術的なものは社員教育に付随するものであって、それ自体が目的ではありません。
社員教育の真の目的は「正しい考え方」を身につけることにあります。
みなさんの思考と行動は密接に関係しています。
みなさんの考え方はそのまま行動に反映されるので、普段の仕事にもあらわれてきます。
いくら表面的な技術面を教えてもらっても考え方そのものが間違っていれば、その社員はぜったいに成長しません。
少し成長したとしてもすぐに頭打ちになってしまいます。
さらに言えば、この正しい考え方を身につけさせる社員教育さえしていれば、現場監督や先輩社員は「なるべく教えない」ことが望ましいのです。
細かいことをあれこれと教えると、その社員の依存心が強くなるからです。
正しい考え方を身につけてないのに、自分自身で考える習慣のない社員は「進化する力、成長する力」を失ってしまいます。
社員がなかなか成長しないと言う人ほど、成長してほしい社員に対して細かい指導をしてしまっているのです。
吸収する意欲のない社員に対して、手取り足取り指導しても、すべては無駄に終わる。
反対に本人がチャレンジしてみた結果、失敗してしまった時上手くできなかった時に、次はできるようになりたいと強く願ったときこそ丁寧に指導するべきなのです。
失敗した本人が「知りたい」「できるようになりたい」と本当に思っている時でないと、あなたのアドバイスは吸収されることはないのです。
だから出来るだけ若手のうちに、その人の可能性を伸ばさなければならない。
これを念頭において、会社の将来を担う者を育てていかなければなりません。
特に入社3年以内に素直さと目的意識を持って仕事に取り組まない人は、何年やっても成長は望めません。
すべての人がこれに当てはまるとは限りませんが、長く第一線で活躍する多くの人は3年という時間がとても重要になります。
このことが意味しているのは何事もはじめが肝心というとです。
1年目、2年目のうちに正しい考え方を身につけさせることで、その社員の可能性は大きく広がります。
だからといって、ちょっとアドバイスしたくらいですくすく育って行くほど簡単ではありません。
社員教育は「人間教育」の考え方の部分と、「仕事の技術」からなります。
そして、必ず仕事に対する考え方が先なのです。
正しい考え方を理解することで社員は自ら成長する意欲を高め、他者の視点からもの事を考えられるようになるのです。
これにより技術的なアドバイスをした時に、自分自身で多くの気づきを得られるようになります。
もし、現場でいくら指導しても言われたことをやらずに自分勝手な行動をしていたり、成長しない人がいたとしたら、それは考え方が間違っているからです。
だから技術より考え方が先なのです。
人間的な成長なくして技術的な進歩なし、なのです。
これに勝る効果的な指導法はないと言うことを覚えておきましょう。