vol.105_素直さと繰り返しで上手くなる。【守破離】0765

経営計画書に「守・破・離」ということが書かれています。

これは物事を学ぶ時の最も大切な基本姿勢で、仕事においては方針を実行するための基本姿勢なんです。

武道・茶道・華道などの道のつく習い事に限らず、仕事においても先人達はこの三つの階段を経て、その道を究めてきました。

 

第一段階のまもるという字の「守」とは、師匠の教えをそっくりそのまま忠実に守ることです。

自分には「できない」ことをしらない状態なのでまずは、すべて師の教え通りにやってみる。

それ以外のやり方をしてはいけません。

何故ならばそれが、上手くなる早道だからです。

師匠は長い年月の間修練を重ね、ひとつの物を築き上げているからです。

この時に初めて「できない」ことを知って素直に受け入れられることが大切です。

もし初心者がこれを疑い批判する者がいたなら、その人は学ぶ姿勢がない者であり、絶対に向上発展はあり得ません。

「こうやった方がいいのに」とか「そんなやり方意味があるんですか」と言って素直にマネすることができない人は、たまたま上手くいったとしても、上達することはありません。

まず、最初は師匠の教えのもと、どのように考え、どのような態度・姿勢を持っているかをそっくりそのまま学ぶことです。

順序、段階を経て学ぶ。言われた通りにやってみる。

これが基本です。

 

第二段階のやぶるという字の「破」とは、師匠の教えをすべて自分のものにしているので、意識すれば「できる」状態です。

その上で、自分の新しい工夫と努力を加えて師匠の教えから 少しずつ脱皮し、成長していって無意識でも「できる」状態のことで、これを習慣といいます。

 

第三段階のはなれるという字の「離」とは、自分の工夫と努力によって、師匠の教えから脱皮し、更に修練・勉強を積み重ね、自ら一つの境地を築きあげる段階です。

「破・離」に早く到達する人と、そうでない人がいますが、そその差は、素直さと努力の量、努力する人と、努力してない人の差だけです。

「離」が完成したら、もう一段高いレベルに進むために、再 び「守」にもどり新たな出発をします。

 

努力もせず、苦労もせず、いきなり達人にはなれません。

必ず順序過程があります。

仕事上手になるためには「守」「破」「離」を繰り返し、一歩一歩確実に進んでいきましょう。

年月だけ経って、我流で「なんとなく出来るつもり」にならないように、素直な心は、学ぶための第一歩ですから実行していきましょう。

 

煙山 光宏

1970年生まれ。
フソウ開発工業株式会社の2代目社長であり、けむやま行政書士事務所の代表行政書士です。