経営計画書に「守・破・離」ということが書かれています。
これは物事を学ぶ時の最も大切な基本姿勢で、仕事においては方針を実行するための基本姿勢なんです。
武道・茶道・華道などの道のつく習い事に限らず、仕事においても先人達はこの三つの階段を経て、その道を究めてきました。
第一段階のまもるという字の「守」とは、師匠の教えをそっくりそのまま忠実に守ることです。
自分には「できない」ことをしらない状態なのでまずは、すべて師の教え通りにやってみる。
それ以外のやり方をしてはいけません。
何故ならばそれが、上手くなる早道だからです。
師匠は長い年月の間修練を重ね、ひとつの物を築き上げているからです。
この時に初めて「できない」ことを知って素直に受け入れられることが大切です。
もし初心者がこれを疑い批判する者がいたなら、その人は学ぶ姿勢がない者であり、絶対に向上発展はあり得ません。
「こうやった方がいいのに」とか「そんなやり方意味があるんですか」と言って素直にマネすることができない人は、たまたま上手くいったとしても、上達することはありません。
まず、最初は師匠の教えのもと、どのように考え、どのような態度・姿勢を持っているかをそっくりそのまま学ぶことです。
順序、段階を経て学ぶ。言われた通りにやってみる。
これが基本です。
第二段階のやぶるという字の「破」とは、師匠の教えをすべて自分のものにしているので、意識すれば「できる」状態です。
その上で、自分の新しい工夫と努力を加えて師匠の教えから 少しずつ脱皮し、成長していって無意識でも「できる」状態のことで、これを習慣といいます。
第三段階のはなれるという字の「離」とは、自分の工夫と努力によって、師匠の教えから脱皮し、更に修練・勉強を積み重ね、自ら一つの境地を築きあげる段階です。
「破・離」に早く到達する人と、そうでない人がいますが、そその差は、素直さと努力の量、努力する人と、努力してない人の差だけです。
「離」が完成したら、もう一段高いレベルに進むために、再 び「守」にもどり新たな出発をします。
努力もせず、苦労もせず、いきなり達人にはなれません。
必ず順序過程があります。
仕事上手になるためには「守」「破」「離」を繰り返し、一歩一歩確実に進んでいきましょう。
年月だけ経って、我流で「なんとなく出来るつもり」にならないように、素直な心は、学ぶための第一歩ですから実行していきましょう。