vol.169_法令遵守の重要性について。【危機管理】0329

行政書士として建設業許可申請をやっていると、法令を軽視している業者に遭遇することがあります。

ある業者では「建設業許可は持っていないが、昔からの付き合いでずっと無許可で工事を請け負ってきているし、仕事も回してもらえるからうちは取らないんだ」という建設業者がいました。

びっくりですね。

このような無許可営業は、監督官庁の調査により発覚することがあります。

監督官庁は定期的に巡回監督を行い、建設業法違反をチェックしています。

違反が発覚すると口頭での指導、文書による指導、指示、または刑事罰が科される可能性もあります。

 

私たちの仕事は、建設業法に基づいて許可を取得し、その範囲内で事業を行っていることを忘れてはいけません。

近年は法令遵守の意識が高まっており、1件あたりの請負金額が500万円以下の場合でも、発注者や元請業者の意向で、建設業許可を取得することが望ましいとされるケースが多くなっています。

 

また、建設業者以外の事業者、例えば、大型機械の製造メーカーが、工場などへの納品の際に設置作業まで行う場合があります。

設置作業が建設業法上の建設工事に該当する可能性があるため、メーカーも建設業許可を取得する必要があります。

 

法令遵守は現代では当然のこととされており、違反状態は速やかに是正する必要があります。

建設業許可だけでなく、自社の業務範囲で許認可等が必要な可能性のある業務については、常に許認可等を整備しておく必要があります。

法令遵守は、建設業だけでなく、すべての働く人に適用されます。

例えば、労働基準法や労働安全衛生法違反も重大な法令違反です。

 

現場では作業優先・作業先行になりがちですが「あれ、この作業は法的にやっても大丈夫な作業かな?」と法令遵守の視点で確認ができるように心がけていきましょう。

煙山 光宏

1970年生まれ。
フソウ開発工業株式会社の2代目社長で、
ジッピー行政書士事務所の代表行政書士です。