許可がないと工事はできないの?
建設業許可がなくても、建設工事を施工することはできます。
建設業の許可には「業種別の許可」と「一般・特定」の許可区分があります。
請負として建設工事を施行するためには、下請け、孫請け以下の場合も、個人、法人の区別なく、28の業種別許可を受けることが必要です。
従業員がなく、一人だけで作業を行う『一人親方』と呼ばれる建設業者も同様です。
いくらの工事まで請け負うことができるの?
ただし、「軽微な建設工事」のみを請け負う業者に限り、建設業の許可は不要になります。
軽微な建設工事とは、工事1件の請負代金の額が、建築一式工事を除く28の工事では500万円未満の工事、建築一式工事については1500万円未満の工事、または延べ床面積が150㎡未満の木造住宅の工事のことです。
そうなると次のような疑問が出てきます
「建設業許可を持たない事業者に500万円以上の工事を注文しようとする場合、分割して契約を結べば問題ないか」という質問が、ある元請建設業者からありました。
国土交通省は「各契約の合計額で判断するため、契約を分割して締結する場合でも請負代金が500万円以上になる場合は建設業許可が必要になる」と回答しています。
営業所と軽微な建設工事について
例えば、埼玉県に本店があり、東京都と千葉県に支店がある事業者が今まで、本店・支店ともに「軽微な建設工事」のみを請け負っていたとします。
この事業者が埼玉県の本店を主たる営業所としてとび・土工工事業のみを請け負っていたとします。
この事業者が埼玉県の本店を主たる営業所として、とび・土工工事業許可を取得したが、東京都と千葉県では、専任技術者を営業所に専任させることができずに、営業所として申請ができなかったとします。
すると東京支店と千葉支店では、建設業許可を取得できないので、建設工事の請負契約を締結することができません。
「軽微な建設工事」を請け負う場合はというと、『建設業許可を取得した建設業者の「営業所」を、当該許可を取得した営業所だけでなく、当該建設業者が取得した当該許可にかかる建設業を営むすべての営業所と解して取り扱う』と国土交通省は説明しています。
要するに、許可を受けた業種について「軽微な建設工事」のみを請け負う場合であっても、届け出をしている営業所以外の場所においては、当該業種について営業することはできないことになります。