高齢者の運転免許証の返納について考えてみる

高齢者ドライバーによる事故

近年、高齢ドライバーによる事故が多く報道されています。

事故の30%以上はハンドルやブレーキの操作ミスが原因と言われ、加齢による認知機能や運転技術の衰えが背景にあります。

自動車運転免許証ってどうゆうもの?

自動車の運転免許は「許可」という行政行為に分類されます。

すでに法令によって定められている一般的禁止の義務を解除する行政行為です。

禁止を解除?って変だと思いましたか?

本来、自動車の運転は誰でも自由にしていいはず
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しかし、ルールも知らず運転技術もない人が公道を自由に運転されると危険なので「禁止」している
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ただし、自動車の運転免許を取得した人は「禁止」が「解除」される

と、こんな感じです。

許可のイメージは、「~するな」という義務を解除する「~してもよい」という感じです。

注意点として、許可を受けたいとして行政庁に申請し、必要な要件を満たしていても、行政庁の判断によって不許可が出される場合があります。

運転免許証の自主返納

体の衰えを自覚しながらも危険な運転を続ける人と、自主返納する人がいます。

運転免許証を自主返納した後の移動手段が確保することができ、今までと同様の生活が継続できるのであれば、決断ができるのかもしれません。

自動車がないと、日常生活に支障があるため、返納できないという方も多いと思います。

周りの他人から「そろそろ免許証返納したら?」と言われると、「何をいうんだ!自分はまだまだ大丈夫だ!」と言い返し、気分を悪くするかもしれません。

でも、自分の胸に手を当てて冷静になって最近の運転をふりかえり「危ないと思うことが増えてきたな」と感じたら、自主返納を検討してみるのもありです。

それには行政・地域・家族によるサポートが不可欠と感じます。

運動機能の衰えを自覚

大きな事故を起こす前に必ず些細な「ヒヤリはっと」行動を起こしています。

故意なルール違反は問題外ですが、自分でもなぜそんなことになったのかわからない行動については注意が必要です。

自分もいつか、自分の家族もいつか、事故を起こしてしまうのでは、という不安があるのであれば、自主返納を検討するのも必要だと思います。

自分で「俺は歳だから」と言って年齢を理由に言い訳することがあるのに、他人から「お前は歳だから」と言われると、嫌な気持ちになるものです。

運転免許の返納も、同じかもしれませんね。

 

煙山 光宏

1970年生まれ。
フソウ開発工業株式会社の2代目社長であり、けむやま行政書士事務所の代表行政書士です。