vol.43_礼を正す。【礼儀】1591

vol.43_礼を正す。【礼儀】1591

日本は「父を敬い、母を愛する。」と言う縦社会の文化でしたが、戦後崩壊しました。

欧米からの自由や平等と言う横の社会「愛の文化」が入ってきたからです。

欧米では権利を主張するのですが、義務を果たしての権利であることを人々は知っています。

でもそのことを日本人は、そのような文化がなかったからわかっていません。

それで日本では縦社会が崩壊し、自由平等になり、するべきことをせず、権利のみを主張する要求型社会になってしまったように感じます。

昔は父親が「おい」と言うと、「はい」と言う返事が返ってきました。

今は「おい」などと呼ぶと、なんだよと言う言葉が返ってきそうです。

家庭から「はい」の返事がなくなってしまいました。

「はい」は拝啓の「拝」で拝むという字で、人を敬う気持ちということです。

「はい」の返事は心のコップを上に向け、今からあなたの話を聞きますよと言う心の準備をすることで、あなたは大切ですよと言う表れが「はい」の返事でした。

先日ある新聞で読んだのですが、反社会的行動(非行と自殺)をする子供の親の共通点の第1位は「夫婦の仲が悪い」でした。

しかも「母親が父親を尊敬していない」と言う共通点があります。

日本の社会は「父を敬い、母を愛する」と言う文化でしたが、見事に崩壊し「勉強しないとお父ちゃんみたいになるよ」などと言うお母さんの声が聞こえてきそうです。

これは、人を大切にしない見本を子供に見せてしまっているのですね。

人を大切にする、尊敬する第一歩が家族にあることを知っていただきたいです。

その1つに「はい」の返事があることを知っていただきたいのです。

みなさんが働く現場ではどうでしょうか。

人を大切にしない見本を仲間に見せていませんか?

人は、丁寧に関わると丁寧に反応してくれますし、逆に雑でいいかげんに関わると、雑でいいかげんな反応が返ってきますので、ぜひ「はい」の返事をお互いを尊敬する関係を築いていきましょう。

業績の悪い会社では、社員が先輩や上司に挨拶をしなかったり、敬語を話せない、話さないなどが多いそうです。

どうですか、みなさんの周りの人はお互いを尊敬する関係でしょうか。

職場においても相手に敬意を払うことにより、人間関係の秩序が生まれます。

「例を正す」とは「人を大切にする」と言うことです。

そのもとが挨拶と「はい」の返事にあります。

挨拶と返事を大切にし、物事の始まり終わりのけじめを大切にしましょう。

はい、今日の知行合一のススメは以上です。

 

煙山 光宏

1970年生まれ。
フソウ開発工業株式会社の2代目社長であり、けむやま行政書士事務所の代表行政書士です。