vol.107_仕事ができる人は謙虚さを持っている【謙虚】0481

先日、TTPで100年塾企業の改善活動を見学しに行ってきました。

その時に、参加していたある社長から聞いた話しを紹介します。

その会社の40歳のAさんは、もくもくと仕事をこなす、典型的な職人タイプのリーダーです。

Aさんに対する社長の評価は

「確かにいい仕事をするし責任感も強い。でもなにか物足りないなあ。自分のできる範囲で頑張っているだけで、それ以上のことをしようとしない。もったいない。なんとか、殻をぶち破るきっかけをつかんでほしい。」というものでした。

その社長から聞いた後、タイミングをみて本人も参加していたのでAさんにも直接話を聞いてみたのですが、会話の中で出てきた言葉に、私は驚きました。

彼は「他部署にどんな人がいて、どんな仕事をしているか、あまり興味がない。」というのです。

その時に「あっ、うちの会社でもそう思って仕事をしている人がいるのかな?」そうだとしたら見逃せない!そう思って、私は彼に、投げ掛けました。

「Aさん、それって思い上がりもいいとこですよ!社内の他部署に対して関心がない、ということは『私は、まともに仕事をしていない』といっていることと同じですよ!」

そもそも、お客様は、Aさん個人の力を信じて仕事を頼んでくるのではありません。

会社全体が持つ力に頼って、様々な依頼をしてくるのです。

だから、お客様の期待に100%応えようと思えば、日頃から自分の部署だけでなく、社内の他部署にどんな人がいて、どんな力を持っているのか、アンテナを高く張り巡らせなければいけません。

そして、いざとなったら、その力を引き出してくる、それが一人前の仕事をするということなのです。

Aさんのように40代のベテランになって、そこそこ仕事をこなせるようになってくると「お客様は、自分を頼って依頼をしてくれる」と勘違いする人が出てきます。

そうなると自分のできる範囲で一生懸命がんばるだけに陥っちゃうから成長はありませんよ。」こんな内容のことを話しました。

 

「自分のできることなんて、たかが知れている。周りの力を目一杯引き出すことが、まともな仕事をするということなのだ!」そういう謙虚さを持った人が、いい仕事ができるのです。

Aさんにそんな話をしたところ、最初はプライドが傷ついたような顔をしていましたが、最後には「ストンと腹に落ちた」と明るい表情で言ってくれました。

 

この話はみなさんにも同じことが言えます。

仕事で成果を出して、お客様の期待に答えられるようにするには、自分の現場とそこにいるメンバーのことだけ考えて作業をしていてはだめだということです。

会社全体の力を発揮できるように、謙虚さを持って仕事をしていきましょう。

 

煙山 光宏

1970年生まれ。
フソウ開発工業株式会社の2代目社長であり、けむやま行政書士事務所の代表行政書士です。